加えて、都内のワンマンライブには2011年からほぼ欠かさず通っている筆者が、アルバムにおけるライブ定番曲も紹介する。
※新譜に関しては後々定番曲を追記していきたい。
人間椅子の恐ろしくカッコ良い音楽に触れるきっかけになればと願ってやまない。
トリ
人間椅子を聴くべし「新青年」
新青年 収録曲一覧
2019.6.5 Release
初回盤(CD+DVD) ¥3,241(税別)
通常盤(CD) 2,685(税別)CD:全13曲収録
01.新青年まえがき
02.鏡地獄
03.瀆神
04.屋根裏の散歩者
05.巌窟王
06.いろはにほへと
07.宇宙のディスクロージャー
08.あなたの知らない世界
09.地獄小僧
10.地獄の申し子
11.月のアペニン山
12.暗夜行路
13.無情のスキャットDVD
「新青年」への軌跡(レコーディングドキュメンタリー映像)
レコーディング中の貴重な映像やアルバム完成直後のメンバー同士の対談インタビューを収録。
令和になって益々ヘヴィ!「新青年」を聴くべし!
「新青年」、それは30周年でなお己を貫き高みを目指す記念碑的名盤!
いやはやいやはや!
それにしてもこれまたすごいアルバムが出てしまった。
紐解けば怪しく重なりゆくギターのイントロからいきなりかの陰獣を彷彿とさせるワウの効いたリフに慄く。
そんな新青年まえがきに始まり、鏡地獄、涜神、屋根裏の散歩者、巌窟王、いろはにほへとという序盤の圧倒的ヘヴィネスのうねりに呑み込まれる。
かと思えば軽快な宇宙シリーズ最新作宇宙のディスクロージャーに心踊る。
激しいイントロに前のめるあなたの知らない世界、魅惑のアニキ曲地獄小僧、鈴木氏渾身の地獄シリーズ地獄の申し子、あまりに美しい月のアペニン山、そして再度重苦しきヘヴィチューンに舞い戻って暗夜行路、そしてアルバムラストを飾るのはリード曲でもある無情のスキャットとあまりにとめどない。
ボーナストラックにはまさかの追加地獄シリーズ・地獄のご馳走が待っている。
新青年 各曲紹介
すでに大まかに紹介した次第だが、もう少しだけ掘り下げたい。
よく聴けばかつての名曲を彷彿とさせるフレーズが随所に散りばめられている気がしてならない。
筆者が気づいたものは書いているが、是非じっくり聴いてみていただきたい。
新青年まえがき
和嶋氏作曲。
アルバム内で最後に作られたという曲である。
アルバムの象徴となる一曲である。
怪しげなギターフレーズの後のワウが効きまくったリフに陰獣を想起せずにはおれない。
アルバムの充実を予感させるには十分すぎる。
鏡地獄
アルバム中で筆者が特に好きな和嶋曲のひとつである。
江戸川乱歩の小説を題材とした曲となる。
好奇と猟奇がない交ぜとなった、かの小説を人間椅子らしくハードロックに落とし込んだ傑作。
序盤からホラー感のある音のチョイスが続く。サビの盛り上がりにへばりついたようなおどろおどろしさが秀逸。
涜神
「とくしん」と読むへヴィすぎな鈴木曲。
ミドルテンポのリフは迫力あり自然と心も体も揺れるだろう。
展開して軽快なパートにて入る掛け声もライブでなんとも楽しそう。
屋根裏の散歩者
和嶋氏作曲。
冒頭の奇怪なギター音が最高である。
ホラーっぽさを持ちつつもなかなか緊迫感のあるリフにヒリヒリとする。
テンポチェンジした際のアルペジオの美しさとそこから続くソロの哀愁から、散歩者へ想いを馳せずにはおれないだろう。
ラストにダンウィッチの怪(頽廃芸術展収録)を彷彿とさせるフレーズが配置されている。
巌窟王
鈴木氏作曲。
地を這うような念仏感のある歌唱がともすれば心地よくすらある鈴木曲。
詞の趣がやたら和風だが内容が巌窟王っぽい。
いろはにほへと
ヘヴィながら可愛らしさもある不思議な一曲。
掛け声的なフレーズがライヴで盛り上がり必至と思われる。
大正琴だと思われる音色がいい感じに散りばめられている。
それにして怒涛のヘヴィチューンに恐れ入るばかり。
宇宙のディスクロージャー
宇宙シリーズながら地を這うようなベースフレーズが癖になる一曲。
怪しさの成分多めな宇宙シリーズと言える。
それにしてもノブ氏のシャウトは絶品である。
あなたの知らない世界
和嶋氏曲。
タイトルからは見知らぬ世界を想起したものの一味違い、これまたのたうつビートが人喰い戦車っぽくて良い。
地獄小僧
ノブ氏作曲のアニキ曲。
フレーズが各所でズンドコしていてなんとも良い。
ギターフレーズにも遊び心を感じる一曲。
地獄の申し子
鈴木氏作詞・作曲の地獄シリーズ最新作。
地獄を愉しむやばい奴らが次々に堕ちてくる。
渋いギターソロもたまらん。
月のアペニン山
一転して和嶋氏の美しきアルペジオが張り巡らされた一曲。
この曲ではノブ氏はパーカッションを担当。いつもより目立たないながら、粋な合いの手のごとく複数のパーカッションを駆使する。
アルバムをグッと引き締める隠し味的一曲になっているのではないだろうか。
暗夜行路
鈴木氏作曲。
暗闇の中、果てなき道のりをつらつらと歩くかのような一曲。
鈴木氏のボーカルの表情も愉しむべし。
無情のスキャット
最強のリード曲。
最後まで「これでもか」というほどヘヴィなリフに静かに歓喜すべし。
そして渾身のソロに胸打たれるのであった。
地獄のご馳走
まさかのボーナストラック。
目まぐるしいリフ、掛け声あり、展開あり、
リフや曲の構成にどことなく鈴木氏の曲人生万歳(無頼豊饒収録)を彷彿とさせる。
疾走感に身を委ねるべし。
「新青年」合わせて読みたいインタビュー・見たい動画
DIGA ONLINE
参考
【インタビュー】人間椅子、30周年。集大成と前進の思いを込めた新作『新青年』完成。ワンマンツアーで“恐怖と戦慄”の世界へ誘うDIGA ONLINE
2019.05.25に公開された3人でのインタビュー。
アルバムタイトルについてから、各人のアルバムに臨む際の思い、印象深い曲などが語られている。
Real Sound
参考
人間椅子 和嶋慎治×メイプル超合金 安藤なつ、念願の邂逅 音楽・バイク・高円寺を語り合うReal Sound
2019.06.04に公開されたインタビュー。
和嶋氏とメイプル超合金の安藤氏の対談である。
実は筆者も数年前に安藤氏が人間椅子の阿修羅Tシャツを着用してテレビに写っているのを見ていたため好きに違いないと思っていたのだがやはりそのようであった。
思いの外共通項の多い二人の対談が楽しげで良い。
Ningen Isu / Heartless Scat official Reaction ①(人間椅子 / 無情のスキャット)
公式動画。
目指せ海外でのライブ、である(希望)。
それはさておき、鈴木氏による無情のスキャットのMV解説である。
喋り方が面白くなっているのがなんだか可愛いのであった。
おわりに
ということで人間椅子令和の決意感じる名盤「新青年」の紹介であった。
いやはや、それにしても人間椅子、最高である。