2019年6月26日、人間椅子の歴史を綴った大ボリュームの書籍、「椅子の中から」が上梓された。
トリ
事前に周知されていた特集をはじめとして、かなり濃密な内容になっている。
ということで今回は「椅子の中から」の概要をお伝えしつつ、その魅力を少しでも伝えられればと思う次第である。
【人間椅子ヒストリー本】「椅子の中から」を繙く
椅子の中からの内容はこんな感じ
内容はこんな感じである。
- 和嶋慎治 味噌作りに挑戦
- 鈴木研一 暴れん坊将軍に変身
- ナカジマノブ 東京03・角田晃広と対談
デビューから現在に至る人間椅子の歴史を切り取る写真の数々が開陳される!
- 聞き手:鈴木氏 →和嶋氏インタビュー
- 聞き手:和嶋氏 →鈴木氏インタビュー
- 聞き手:和嶋氏 →ノブ氏インタビュー
みうらじゅん氏をはじめとして、かつて人間椅子に関わってきた関係者や今も人間椅子を支える方々がそれぞれの視点で見た人間椅子の横顔について語る。
インタビュアーに志村つくね氏を迎えてのインタビュー。新青年についてメンバーが語る。
かつてのライブのフライヤーやポスター、Tシャツにファンクラブ会報のビジュアルがたっぷり収められている。
人間椅子の年表である。
このヒストリー本1番の目玉(と筆者は勝手に感じている)。
読み応え抜群のスタジオアルバムセルフレビューにして歴史を紐解く貴重なインタビューとなっている。
和嶋氏はラヴクラフト、鈴木氏はKISS(そして和嶋氏)、ノブ氏はたくさんのマイヒーローについて語っている。
かつてYOUNG GUITERにて掲載された和嶋氏とトニー・アイオミの対談。
かつてのファンクラブ会報にて掲載された特集の再掲。
かつてのファンクラブ会報にて掲載された特集の再掲。
続いて、特集と全アルバム解説に関する筆者の感想などをピックアップして記したい。
ともすればネタバレ的なことになるかもしれないため、未読の方は各自充分に気をつけていただきたい。
【人間椅子・椅子の中から】特集を読むべし
特集は巻頭のカラーになっている。
各メンバー数ページずつにわたり、それぞれやりたかったことに挑戦している。
和嶋慎治 味噌作りに挑戦
和嶋氏はやたらと農作業、味噌づくりが似合う。
スピリチュアル好きな和嶋氏によれば、無農薬野菜というのはスピリチュアルの系譜にあるそうだ。
また人間の営みとして根幹にある農業を体験してみたいという思いもあったようである。
なるほどー和嶋さんらしい意図がある体験なんだな
鈴木研一 暴れん坊将軍に変身
鈴木氏は暴れん坊将軍である。
コスプレのようなものであろう。
元来変身願望があったという鈴木氏だが、たしかにステージではメイクをしているわけである。
というわけで今回は自ら似合うはずと、暴れん坊将軍的な格好に挑戦している。
また女形にも挑戦しているのが驚き。
ここでは人間椅子最初期のねずみ男の扮装にも触れられており、要チェックである。
ナカジマノブ 東京03・角田晃広と対談
ノブ氏の特集は対談である。
お相手は東京03の角田氏となっている。
実はこの対談は3人の特集のなかでもかなりおすすめと言える。
というのも今まで語られていなかったエピソードが出てくるのだ。
人間椅子と東京03はお互い3人組でやっているわけだが、そんななかでの解散の危機について話がでるのだ。
そこでかつて発生した人間椅子解散の危機について、ノブ氏の口から語られるのである。
それが微妙に緩いニュアンスであり、大変に面白い。
と同時に解散がなくて本当に良かったと思わずにはおれない。
と言うことで特集はどれも必見と言える。
【人間椅子・椅子の中から】全アルバム解説 10時間インタビュー
ここではインディーズ時代の「人間椅子」から「異次元からの咆哮」までについて結構なページ数を割いてメンバーがあれこれ話している。
ノブ氏加入前のアルバムは和嶋氏と鈴木氏で、ノブ氏加入以降は3名で各アルバムの制作のエピソードが語られる。
アルバム1枚あたり4ページをも使用しており、かなりの分量ということになる。
時代を感じさせるデビュー当初のエピソード、思わぬ曲について思い入れを語るメンバーの話、メンバーの脱退と加入と制作当時の話が盛りだくさんである。
かなりおすすめ。
【人間椅子・椅子の中から】外観を紹介
おわりに 椅子の中からを読むべし
ということで人間椅子のヒストリー本、椅子の中からの紹介であった。
非常に濃密で貴重な内容な書籍と言える。
30周年を迎えた人間椅子だが、筆者としてはOzzfest以来の新時代の波が今まさに起きんとしているように思えてならない。
いやはや、それにしても人間椅子、30周年がめでたすぎる。