【本の紹介】少女禁区を読んだ!【ホラー小説】

本の紹介記事・無駄なことを続けるためにの感想

書店にて、角川ホラー文庫の棚を眺めていた。

ふと、目に留まったのは比較的薄めで読みやすそうな一冊の本である。表紙のイラストもよかったため手に取ってみた次第である。

その本「少女禁区」は第17回ホラー小説大賞短編賞受賞作であった。

筆者はこの「少女禁区」の呪いが蔓延る世界において、藁人形の呪いが甘美な痛みを伴った美しいSMプレイに変じる様を目の当たりにした……!

トリ

何言ってんだこいつ!?
少女禁区 (角川ホラー文庫)
伴名 練
角川書店(角川グループパブリッシング)

少女禁区を読んだ!

少女禁区の大まかな世界観

少年はこめかみに鈍痛を感じ、目を覚ます。枕には血が黒くこびりつく。

これは少女からの「早く来い」という「呼び出し」である。

少女は日々呪いのひとがたに釘を打ち付ける。そのひとがたは少年のものである。

ただ痛みに縛られる少年は、しかし痛みに従うばかりであった。

これは呪詛の圧倒的才能のため村中から恐れられる少女と、奇しくも少女の「玩具」とされる少年による哀切の痛みに満ちた物語でもある。

そして少年の受ける仕打ちは日に日に理不尽さを増してゆく。

トリ

少年我慢しすぎだろ

少女禁区の物語のキモ

唐突だが、SMプレイにおけるステージの上昇は信頼関係によって達成されるという。

トリ

は!?

理不尽な痛みだけでは、頭でっかちなプレイでしかない。あるいは家畜文化的・欧米的なそれとも言える。

如何にしてこの二人が、農耕文化的日本的なエスエム的信頼関係を気づきステージを昇華させていくのか。

そこがこの物語の一番の見どころということになる。

トリ

そういう話なの!?

エスカレートする仕打ちは遂に来るところまで来てしまう。

此岸と彼岸を繋ぐという白い大蛇に生け贄を捧げる村祭りで、とうとう少年は少女によって生け贄に仕立て上げられてしまい——。

果たして呪いは「どこ」まで届くのか、

という話である。

少女禁区のラスト甘いよ

審査員の荒俣氏曰く、“甘すぎる”ラストは読んでみれば確かに甘い。角砂糖の蜂蜜掛けくらい甘い。

しかしながら、それでも総じて秀逸な短編として読ませる作品であったことは確かである。

気軽にホラー小説を読んでみたい人には、是非お勧めしたい。

ちなみに元のタイトルだという「遠呪」の方が個人的に好みではある。

 

いやはや呪わしい。しかしながら、ホラー小説も面白いものである。

トリ

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