【今更ライブレポート】人間椅子インストアライブ@渋谷タワレコ 2011/9/4

MEMO

この記事は2011年の人間椅子のライブについて記している。当時の人間椅子のことを知る一助になればとは思うものの、ごく私的な手記を元にしているため余計な情報が大半を占めていることを留意されたし。

先日人間椅子のインストアライブに行き、生まれて初めて行ったライブを思い出した筆者である。

トリ

あーなんかそんなこと言ってたな

そして当時友人に送りつけた手記を8年前のメールから発掘した次第である。

トリ

げ、まじかよ!

読み返したところなかなか懐かしい。

そして無謀にもこのブログに掲載することにする。

トリ

げ!

※多少手直しをして掲載する。あくまでもごく個人的な手記を元にしているため、もはや一種の創作物だと思って読んでいただければ幸いである。

トリ

どういうこと!

【今更ライブレポート】人間椅子インストアライブ@渋谷タワレコ 2011/9/4

ということで2011/9/4の人間椅子「此岸礼讃」のツアー後に行われたインストアライブである。

ツアー後ということで脂が乗りに乗ったライブということになる。

そして筆者は初めての人間椅子のライブということになる。

注意

ライブの内容にたどり着くまで徒に長いので注意されたし。

開演前に渋谷へと降り立つ。初の人間椅子ライブに浮き足立つ。

来る94日、筆者は渋谷の地に降り立っていた。

集合時間である1730の10分前に渋谷駅についた筆者は脇目も振らずにタワーレコードへと向かった次第である。

店に着くと一階のフロアの一角に集まる人々を見つける。5分の猶予があった。

心配性の筆者のなかの予定では、15分ほど店内を冷やかしつつ時間を潰そうと考えていたのだ、意外とぎりぎりにだったようだ。

3階にあるトイレへと急ぎ、用を足したうえで1階の一団に紛れ込んだ。

トリ

トイレ描写とかいらないだろ

この頃はこう言った些細な描写に宿る心の機微を重んじていたのである。

集合場所にてやや動揺する

店の入り口に今後行われるインストアライブのチケットの残りの目安が大きく張り出されている。

人間椅子はライブ当日にもかかわらずまだ残っていた。

その一覧で配布が終了しているのは、数日後に行われるというかのビジュアル系エアバンドのインストアライブのみであり、改めて音楽で成功することの難しさや音楽での成功とはなんなのかということを考えている体で、本当にここが集合場所なのか若干不安になっていた。

よく見れば会場の「STAGE ONE」の文字が書いてある。

しばらくして整列を促す声が聞こえてきた。

トリ

どんな体だよ!誰も気にしてないよ!

いやはや、誰にも気づかれていないはずである。

整理番号を確認して並ぶ

渋谷タワレコは地下一階のライブ会場入り口から8階まで階段が伸びており、そこに並ぶようになっている。

その踊り場には整列する際の整理番号の目安が書いてある。

筆者は160番台であった。

階段を上がるとすでにぱらぱらと筆者の番号付近であろう踊り場にたどり着く。

そこでうろうろしたあげくに並んでいた一人に声を掛け、互いの番号を確認した。

同じようにどうしたものかとしていた数人が筆者に続き、声を掛け合った。

筆者などがその場の微妙な戸惑いの流れを動かしてしまったかのような申し訳ない気分になる。

筆者の後ろに並んだのは170番の女の子である(以外と番号はスカスカだった気がする)。

人間椅子のライブに一人で来る女の子、あまりに素敵である。

「整理番号確認ついでに仲良くなったらどうしよう!?」などという妄想は当然杞憂であり、筆者はそのことに安堵すらした。

トリ

いや、なんの話だよ!

全くである。当時はこんなことを書いては喜んでいたのである。

そして今読んでも個人的には結構愉快である。

トリ

とんでもないやつだな!

開場する。

10人ずつ会場入りする。

ステージ前は熱狂的なファンがみっしりと占めており、私は会場中域の柱の脇で見ることにした。というかその場所まで埋まっていたため、必然的に詰めるとそこだった。

会場にはアルバム此岸礼讃が流れている。筆者が電車に乗ってからウォークマンで聞き始めてまさに先ほど止めた、ちょうど続きであった(悪魔と接吻あたりである)。

会場まで5分くらいというところで会場が暗くなる。

しばらくして風鈴の音が大きく鳴った。

オープニングSEだろうか?

その後に大音量のリフが鳴り響く。どうやら曲の一部だったようだ。

そこで大歓声が起こり、和嶋氏、鈴木氏、ノブ氏が登場した。

筆者はひたすらにやけていた。

メンバーが楽器の準備をしている間、例のリフの曲が流れる。

非常にヘヴィな曲調の鈴木氏ボーカルの曲である。初めて聴く曲だった。

後々気づいたが、そのリフは特典CD「此岸礼讃への道」の「今昔聖」の最初に収録されている謎のリフであった。

 

果たして此処は何処なのか 果たして其処は何処なのか

何処でもあり何処でもない 何処にもない其処にもある 嗚呼

 

多分こんな歌詞である。

アルバム未収録曲なのだろうか。

(既存の収録曲?じゃないとは思う。実家にいる間に全アルバムを通して聴くという人間椅子マラソンなるイベントを部屋にこもって行ったばかりである)

非常に良い曲であった。

曲の終わりも風鈴の音であった。

そして勢いよく演奏が始まった。

トリ

あれ、此岸御詠歌のことまだ知らんかったのか

知らなかったのだ。

筆者は詳細を知らないのだが、此岸礼讃制作時にリフが考案された形跡が特典CDに残されており、それがツアーからオープニングSEとして使われたりしたのかな?と当時は思っていた。

ライブ開始!

一曲目:ギラギラした世界

幸いにも和嶋氏の表情を細かに見ることのできる正面の位置にいたものの残念ながらギターはほとんど見ることができなかった。

私の左斜め前方に立つ鈴木氏のベースプレイは結構見ることができた。

因みに和嶋氏の使用ギターはギブソンのSG(ピックアップの下の中央に丸いシール?が張ってある奴だった気がする)で、鈴木氏のベースはホームページの写真で持っている「R」とヘッドにかいてあるやつである(ただ後のアンコールの際に同じようなベースを持ち替えていた気もするから同一かは断定できない)。

間奏にて、ライブアレンジである和嶋氏のギターソロが素晴らしかった。

二曲目:悪魔と接吻

勢いの良い曲が立て続けに演奏され俄に盛り上がりを増す。

筆者も思わず腕を上げたい気分で一杯だったのだが、筆者の前には柱に寄りかかり腕を組むあまりに冷静な中年男性が、左にはがっしりとしたスタンスを維持したほとんど動かない女性が、右にはあまりに冷たくそびえ立つ柱が陣取っており、ノリノリな人々と若干の物理的精神的隔たりが演出されている。

なんとなく、筆者は上げかけた腕を降ろしていた。

「ちゅっ」に合わせて私も腕を上げたかった。

トリ

あげろよ

まあそうなのだが。

MC1:だいたいこんなかんじ

鈴「こんばんは人間椅子です」

鈴「先ほどDISCUNIONの写真撮影のイベントと同じ顔が、前にずらっといますね」

鈴「みなさんどこで時間をつぶしていたのでしょうか」

鈴「僕は漫画喫茶にいったら集合時間に遅れました」

客「メイクは?」

鈴「メイクはさすがに落としました。このままじゃ、断られます」

和「ワンピースを呼んだんですか?」

鈴「今日は久しぶりに湘南爆走族を読みました」

和「改めまして、インストアライブへようこそ」

和「普通はインストアの後にツアーですが今回は最後にインストアになっちゃいました」

和「追加公演の追加公演のようで、非常にうれしいです」

和「先日のライブの日、高校野球がありましたね」

和「なんと僕と鈴木君の出身校が決勝の舞台へ上がりました」

和「次の日、飲酒騒ぎが起きていました」

和「青森県がっかり、がんばれ東北」

和「まぁ彼らは若い。これから一皮むけて活躍してくれるでしょう」

和「もうね、自説はまげませんよ。人間は光を受けるために生まれてきた(?的な感じ)」

和「次の曲は人間を肯定する言葉を選んでつくりました。光へワッショイ!」

三曲目:光へワッショイ

特典CDを聞いて以来非常に好きな曲である。

イントロから非常に渋い。

腕を上げられない筆者はしかし体を自然と揺らして聞いていた。

また少しでも和嶋氏のギターが見えないかと終始背伸び状態である。

これが結果的に脹ら脛のハードな筋トレになっていたことを知るのは次の日のことである。

四曲目:地底への逃亡

重苦しい曲である。

最初曲名が思い出せずに悩んでいたが、まぁいいやと冷静な中年に囲まれた筆者は曲に没頭したのである。

アウトロに見られるキメが非常に格好良く心地よい曲であったと再認識した。

MC2:だいたいこんなかんじ

鈴「ツアーではこの曲二回しかやれませんでしたのでやらしてもらいました」

鈴「早くもレア曲の匂いが」

鈴「きっと2~3年後、ファンクラブの集いなんかでやるのでしょう」

和「今日のライブはアルバム買った人が来てくれているだけあり、皆新曲知ってますね!」

和「いろんなものに共通する美しいもの、それを曲にしたいと思ったんですね」

和「非常に抽象的なかんじだったのですが」

和「でもどうしても不吉な、まがまがしい感じから抜け出せない。そういうのは得意。」

和「共通するうつくしさ、純粋さ、誠実さみたいなのがだせない」

和「チューニングしながらちゃんと喋ってますよ」

(和嶋氏はしゃべり始めてからずっとチューニングしている!)

和「で、これはいかんと、自然と語り合わなければいけない、と」

和「鳥と会話したつもりになったり、木に接吻したり」

鈴「本当ですか?」

和「まぁ酔ったときとかですけどね、木が無性にいとおしくなって」

鈴「あなた酔っ払って公園で寝てたりしましたよね」

和「最近はしなくなりました」(私はちょうど先日、氏のコラムを読んだばかりである)」

和「まぁね、端から見たら木に抱きついているへんなおっさんなわけですが」

和「うつくしいものとか、そういったことを感じてくれれば」

和「胡蝶蘭という曲です」

五曲目:胡蝶蘭

打って変わってしんみり渋い曲である。

これもまた好きな曲であったが、驚いたことにこういった曲でも、長髪を振り乱す高速のヘドバン女子が、少数だがいるのである。

ライブは奥が深い、そんなことを思わされるわけである。

そしてどうにも和嶋氏と目が合っている気がしてならなかった。

確かに氏の正面にいるし、私の前には最前列の一団の後のスペースがあり開けていたので、目が遣りやすいかもしれないなどと思っていた。

そして完全に勘違いだろう。

曲の最後に「胡蝶蘭~」と叫ぶ和嶋氏の表情と、胡蝶蘭制作の裏にあったという小鳥と会話する和嶋氏の情景が相まって、私はよくわからずに若干涙ぐんでいた。

トリ

最初に行ったライブから泣いてたのかよ

そのようである。樹と抱擁、接吻し小鳥と会話する和嶋氏を思い浮かべ、涙ぐんだわけである。

MC3:だいたいこんなかんじ

和「三年連続でインストアに出ていますね、すばらしい」

和「若いバンドのようです」

和「でもね楽屋なんかでね、頭をみて、あ、薄くなっていると、実感をするのです」

鈴「お客さんが頷いていますよ」

和「鈴木君はどうですか」

鈴「太る一方です。あれだけコーラを飲めばね。夏太りです」

鈴「冬が来たら、またね」

鈴「最近腹にベースを乗せて弾いてますよ」

和「外人の重いベースってやっぱそういうとこですよ、ベーシストとしての進歩かも」

鈴「このまま太れと」

和「いや、そのぐらいがいいと思います」

和「ノブくんはすごいね」

ノ「すごいねってw」

鈴「今日も車の中ですごかったもん」

和「乗り込んでから目的地までしゃべりっぱなしですから」

鈴「しかもボリュームがすごい」

ノ「イェーイ! みんな元気ですかぁ!」

ノ「喋る予定じゃなかったんだけど、声出してみたぜ!」

ノ「人間椅子の三人はがんばっていきますよろしくぅ!」

ノ「車の中でもしゃべり続けます」

ノ「130キロで喋り続けます」

和「研ちゃんの肩を掴んで喋り続けます」

和「この話は長くなるね」

鈴「やめましょうよ」

和「ノブ君が車バックするとき助手席じゃなくて研ちゃんの肩をつかんでたって話です」

和「次にやります曲はね、年寄り言葉で作った曲です」

和「一遍上人、空也上人、そんなかつての聖たちへの歌です。今昔聖」

トリ

相変わらずのMCっぷりだな!

そうなのである。

そこがまた魅了的と言えよう。

六曲目:今昔聖・七曲目:ああ東海よ、今いずこ・八曲目:沸騰する宇宙

怒濤の三連曲である。

この少し前からステージ脇の天井に設置されているディスプレイが映りだし、演奏の様子が見られるライブ映像が流れ始める。

しかしやはり生の人間椅子が目の前にいるのだからそれを見ない手はないというものである。

ただギタープレイはもっとよく見てみたかった。

今昔聖はアルバム中最も渋く、またヘヴィで大胆な曲の展開など人間椅子の神髄を感じさせる名曲だと思っていたわけだが、これもなんだか生で聴けて感動してしまった。

ああ東海よ、は初めて聞いたとき歌詞カードを見た直後に関わらずサビが「阿藤快よ」に聞こえた、という情報は極め得てどうでも良い情報と言える。

きっと多くの人がそう聴こえて話しているに違いない。

ラストを飾るのはアルバムでは一曲目の沸騰する宇宙である。

沸騰感溢れるイントロに始まり、曲は盛り上がりを見せた。

オープン、セサミと腕を振るう最前列の一団を見ながら、気づけば冷静な中年の方ともども、筆者は大分前に移動していることに気づいた。

いくら冷静な中年の方といえど前のめりになるわけである。

トリ

冷静な中年の方の描写いらないだろ

いやはや、筆者の中では重要な事項だったのだ(多分)。

MC4:だいたいこんなかんじ

鈴「やっと調子が出てきたけどここで時間なんだよな」

和「本編終了でございます」

メンバー退場。

アンコールの声があがる。しばらくしてノブさん登場。

ノ「ありがとう!」

ノ「ツアーTシャツは売り切れたけど、別なTシャツ持ってきてます!」

ノ「モデルの和嶋君が着てきます!」

Tシャツ鉢巻き(手拭い)姿の和嶋氏登場。

和「モデルです。この手拭いは売り切れちゃいました」

ノ「ライブ告知あります!出場バンドのドラムが全部俺、っていうのがあります!」

ノ「あと次のツアー決まりました!」(確か12月だったか? 千葉大阪名古屋東京)

和装の鈴木氏もここで登場。

和「ワンマンです!」

和「アンコールどうもありがとう!」

和嶋氏により、重苦しいアルペジオが演奏される。

アンコール:阿呆陀羅経

始まったとき一瞬「針の山」かと思ってしまった。良いリフである。

三人のボーカルがまた良い感じである。

それにしても和嶋氏はどの曲もソロの際に表情を作り、客をあおるように、また感じ入るように、時に楽しそうに弾くのだから感心しきりである。

ラストに和嶋氏は歯ギターや、ビハインドザヘッド的なギタープレイなどをしまくり、最前列のオーディエンスにギターをタッチさせたりしていた。

なんともうらやましい話である。

メンバーがピックやスティックを放っているのを見て発売直後にアルバムを買っていれば! と若干悔やむほどであった。

最後に挨拶

鈴「ロック仙人、和嶋慎治~」

鈴「人間拡声器、ナカジマノブ~」

和「はい、そして十二月また一回り大きくなって戻ってまいります、鈴木研一」

そしてメンバーが退場した。

反芻しつつ帰路につく

インストアライブというものは5曲くらいで終わるものなの、などと思っていたが、気づけば1時間にわたり全9曲の演奏を聴いていたわけである。

というよりこういったライブに赴くのは初めてである。

とにかく12月(仮)のツアーにどうにか紛れ込めないだろうかと、考えつつあるほどだ。

生人間椅子の生演奏の生々しさに圧倒された筆者は、和嶋氏が着用していた阿修羅像と人間椅子のロゴがプリントされたTシャツを購入し、ふわふわとした気分で以て帰路に就いたのである。

以上が手記の内容である。

トリ

うん。長いよ!

おわりに

ということで発掘した手記を無謀にも掲載した次第である。

この頃はMCの内容を熱心に覚えておきメモしたりしていた。感心仕切りである。

トリ

そうね

まだいくつか発掘されている手記があるため、気が向いたら掲載するかもしれない。

無謀にも。

そしてまた徒に長く、大半は余計な情報になることは必至である。

トリ

なんの予告だ

 

いやはや、それにしても人間椅子、いつの時代もいいものである。

トリ

興味のある人だけでも読んであげてね!

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