筆者が愛用しているMTGのモダンデッキ、カウンターカンパニーだが、執筆時点(2019年3月)でだいぶメタ外に追いやられている。
そんな中、MagicOnlineにて幾度となく5-0をしているプレイヤーLaplasjan氏が2019年の1月(KCI禁止直前)のメタゲームにおけるサイドボーディングガイドを発表している。
トリ
筆者は勉強も兼ねて訳して見た次第である。
訳してみるとただ15枚のサイドボードを眺めるだけではわからない部分が見えてくる(気がする)。
【MTGモダンデッキ】Laplasjan’s KoTR Counters Company Sideboarding Guideを訳してみた【カウンターカンパニー】
この記事を読む上での注意点
この記事を読む上で以下のような注意点がある。
メタゲームは常に変わる。
鵜呑みにすることなく、常に現在のメタゲームを顧みていただきたい。
ただし考え方は非常に参考になるはずである。
筆者の訳を信用するべからず。
いかんせん英語に触れなくなって久しい筆者である。
これを読むにあたり、併せて原文を紐解いていただくのが安全だろう。
いやむしろ紐解くべきだろう。
というか必ず紐解くこと!
参考 Laplasjan’s KoTR Counters Company Sideboarding GuideCARD KNOCK LIFEということで以下に訳を掲載していく。
カウンターカンパニーガイドの訳 序文
まずは挨拶である。以下訳。
あけおめ!
前回の記事から長い時間が経ったので、もう先延ばしにしない次第!
今回、聖遺の騎士を搭載したカウンターカンパニーについて、ちょっとしたサイドボーディングガイドを提示したい。
モダンフォーマットが変わるにつれて、我々のデッキは適応していかなければならない。
私は自分のデッキリストに加えた小さな変更のいくつかを説明しつつ、現在のメタゲームにおける勝ち筋やらについてお話しさせていただきたい。
多分こんな感じである。
以降、勝手に適宜見出しをつけている。
Laplasjan’s Counter’s Company[Jan 2019] リスト
続いてリストである。
英語のままだがあしからず。
Creature (30)
4 Birds of Paradise
3 Noble Hierarch
4 Devoted Druid
3 Duskwatch Recruiter
2 Scavenging Ooze
4 Vizier of Remedies
2 Eternal Witness
4 Knight of the Reliquary
3 Tireless Tracker
1 Walking BallistaInstant (8)
4 Chord of Calling
4 Collected CompanyLand (22)
4 Windswept Heath
3 Verdant Catacombs
4 Forest
1 Plains
1 Swamp
2 Temple Garden
2 Overgrown Tomb
1 Horizon Canopy
2 Field of Ruin
1 Tectonic Edge
1 Gavony TownshipSideboard (15)
1 Bojuka Bog
3 Path to Exile
2 Abrupt Decay
1 Assassin’s Trophy
1 Kataki, War’s Wage
1 Kor Firewalker
1 Eidolon of Rhetoric
1 Fearie Macabre
1 Kitchen Finks
1 Knight of Autumn
2 Sin Collector
Laplasjan氏のリストは基本的に黒タッチしている。
ベースは聖遺の騎士入りのリストである。
この時特徴的なのはサイドのフェアリーの忌み者だろうか。
詳しくは以降で紹介する。
【モダンメタゲーム】今回ガイドを記すTier1のデッキ【2019年1月】
サイドボーディグを示すにあたり対象とするデッキは次の5つである。
- 人間
- スピリット
- ドレッジ
- 緑単トロン
- イゼットフェニックス
※KCIについても記載されているのだが、禁止カードが出てしまったデッキのため訳は割愛する。以下訳。
もしモダンにおけるTier1のデッキを見つけようとしている場合、見ている場所によって異なる結果が得られるだろう。
全体的に見て、フォーマット全体で最も代表的なデッキとして、人間、スピリット、ドレッジ、KCI、緑単トロン、イゼットフェニックスが含まれている。
これらのマッチアップにフォーカスしたサイドボーディングやTipsを掲載する次第である。
その他のマッチアップについて「書いて!」という要望があればEmailで連絡されたし。
カード選択その1 メインボードにおける速度を考慮した選択
メインのカード選択について記してある。以下訳。
メタゲームは劇的に速度を増している。
(カンパニーを使う側としては幸運なことに)青白コントロールはかなり減り、またBG系も少なめである。
このためクルフィックスの狩猟者は抜いた。
稲妻デッキはもはやタフネス4を脅威に思っておらず、クルフィックスの狩猟者のような遅いシステムクリーチャーは許容できない。
速度は重要である。その速度で優位にゲームを進めるか、さもなくば即ゲームを終わらせにかかるべきだろう。
ゲームを素早く終わらせるために役立つので、トラッカーこと不屈の追跡者は3枚入れることに決めた。
トラッカーのもたらすドローは、サイド後のシルバーバレット戦略を補助するし、それらを探しにいくためのマリガンのディスアドバンテージもカバーし得るのだ。
トラッカーは筆者も好んで入れている。できれば4枚入れたいが何かと他に入れたいものがあるので3枚くらいになりがちである。
カード選択その2 墓地対策
墓地利用デッキが環境を支配している昨今、墓地対策は非常に重要なトピックスである。以下訳。
ドレッジやイゼットフェニックスのような早い墓地利用デッキの存在から、私は2枚の漁る軟泥をメインに採用している。
これらはゲーム後半でも効果的であり、先頭に立つもの、アナフェンザのようなヘイトカードよりも早く出る。
漁る軟泥はミッドレンジゲームでもまた非常に強力な脅威となる。
早いクロックであり、ヘイトカードでもあるのだ。
フェアリーの忌み者は私のサイドボードの新メンバーであり、漁る軟泥を使うマッチアップで同様にプレイする。しかし異なる役割を持っている。
2/2のフライヤーとして、召喚の調べや集合した中隊で場に出すことができる。
これは外科的摘出よりも便利な点である。
私が最初にフェアリーの忌み者をプレイしたのはチームモダンGPでのことであった。そこでこの有用性に気づいたわけである。
筆者が観測していた限り、このフェアリーの忌み者をLaplasjan氏が使っていたのは束の間の間であったが、確かにカンパニーを使うデッキにおいてはクリーチャーとしてカウントできるのが有用なケースもあるのだろう。
カード選択その3 サイドの万能な除去
黒タッチが特徴的な氏のリストにおける除去に付いて記してある。以下訳。
暗殺者の戦利品は(これ以前にlaplasjan氏が使っていたリストから)減らしている。
青白コントロールが減っているのでテフェリーやジェイスといった脅威を捌く機会が減ったのだ。
そして墓地利用デッキが増えていることも暗殺者の戦利品を減らした要因といえる。
何より暗殺者の戦利品が効くトロンに対して、そもそもこのカウンターカンパニーは有利なのが大きな理由である。
対して突然の衰微はバントスピリットに対してより安全で、かつ相手を加速することもない。
ボジューカの沼は聖遺の騎士と連携し、早い墓地利用デッキに対して対応しうるカードだが、相手のドロー次第では一時しのぎになってしまう。
黒をタッチしている強みは主にこの衰微とトロフィーにあるだろう。
非常に強力な除去である。
カード選択その4 秋の騎士とライフゲイン枠
以下訳。
秋の騎士がなぜ1枚かというと答えは実に単純である。
それ以上不要なのだ。
置物対策はすでにある。
またそれ以上にライフゲインが必要なマッチアップでは、秋の騎士よりよさげな台所の嫌がらせ屋がいる。
赤単に対してはコーの火歩きがいる。こいつのライフゲインは赤青系のデッキについても軽視できない能力と言える。
黒タッチだと置物対策が衰微とトロフィーに分散されるため、秋の騎士は1枚でよい!との判断であろう。
【カウンターカンパニー】Laplasjan流のサイドボーディングとTips【2019年1月】
各マッチアップに付いてサイドボーディングとプレイングのコツが記されている。以下訳である。
人間
反射魔道士は一枚なら勝てるだろうが、2枚あると通常かなりきつい。
地上は聖遺の騎士とトラッカーで止められるのだが、カマキリの乗り手はサイド前での大問題となる。
サイド後は聖遺の騎士とトラッカーのどちらを多く抜くか迷う。
聖遺の騎士は地上を止めるのに役立ち、トラッカーはドローでコンボを早く決められる。
どちらも優れていると感じるのだ。
In
- 3 流刑への道 Path to Exile
- 2 突然の衰微 Abrupt Decay
- 1 暗殺者の戦利品 Assassin’s Trophy
- 1 台所の嫌がらせ屋 Kitchen Finks
- 1 秋の騎士 Knight of Autumn
Out
- 2 漁る軟泥 Scavenging Ooze
- 2-3 聖遺の騎士 Knight of the Reliquary
- 1-2 不屈の追跡者 Tireless Tracker
- 2 集合した中隊 Collected Company
スピリットデッキの登場以降少し数を減らしていた人間だが以前として一定数いるようである。
スピリット
ミッドレンジプランは通用しない。
でかい聖遺の騎士やトラッカーはチャンプブロックされ、返しにやられてしまう。
極楽鳥はチャンプブロッカーとして価値が見出される次第である。
このマッチアップは初手にかなり依存する。
ドローで立て直す隙がないのだ。
反射魔道士はこちらが完封される要素になるのではと思っていたが、そうではないようだ。地上の非スピリットは相手のクロックを遅らせるのだ。
とは言え、猶予はそこまでない。
サイド後、私はトラッカーを非常に重要視している。
時々、流刑への道をもたらしてくれるしそれは大きな勝利へと繋がるのだ。ロードと呪文捕らえのために除去を温存すべきだろう。
辛いのは、早い初手を得るためにマリガンしなければならないことである。
In
- 3 流刑への道 Path to Exile
- 2 突然の衰微 Abrupt Decay
- 1 暗殺者の戦利品 Assassin’s Trophy
- 1 台所の嫌がらせ屋 Kitchen Finks
- 1 秋の騎士 Knight of Autumn
Out
- 2 漁る軟泥 Scavenging Ooze
- 3-4 聖遺の騎士 Knight of the Reliquary
- 0-1 不屈の追跡者 Tireless Tracker
- 2 集合した中隊 Collected Company
人間と似たサイドボーディングだが、地上がほぼやくに立たないためでかくなる聖遺の騎士はほぼアウトするようである。
ドレッジ
引き次第ではドレッジはとにかく強いのだが、モダンのあらゆるデッキを倒せるわけではない。
私はこのマッチアップは悪くないと感じている。
燃焼を打たれない限り献身のドルイドで早く勝てるのだ(メインで唯一の除去が燃焼である)。
カウンターカンパニーはマナをたくさん出せるので、漁る軟泥は他のデッキに比べよく働いてくれるわけである。
エンドステップの集合した中隊や召喚の調べは勝ちに直結する。
サイド後はコンボ勝ちが難しい。
突然の衰微、集団的蛮行、稲妻の斧、暗殺者の戦利品に備えなければならないのだ。
幸いカウンターカンパニーがキープできるハンドは多様である。マナクリーチャーや聖遺の騎士、軟泥、早く集合した中隊が打てるハンドなど。とにかく早い手が求められる次第である。
In
- 1 ボジューカの沼 Bojuka Bog
- 1 フェアリーの忌み者 Fearie Macabre
- 1 台所の嫌がらせ屋Kitchen Finks
- 1 秋の騎士 Knight of Autumn
Out
- 1 地盤の際 Tectonic Edge
- 3 不屈の追跡者 Tireless Tracker
メインから軟泥がいるため戦えるマッチアップだろう。
サイドは除去がかなり増えるので気をつけて臨むべし!
KCI(現在はKCIが禁止カードのため割愛)
KCIが禁止になったので割愛する。
筆者はKCIの仕組みをよく把握しないままに禁止になってしまった。
緑単トロン
私は「このマッチアップがモダンのトップメタの中ではベストだ」なんてことをいうとは思っていなかった。
3ターン目にトロンが揃わない限りカウンターカンパニーに分があると言える。
廃墟の地は時間を稼ぎ、地盤の際は忘却石の起動を遅らせる。
In
- 2 突然の衰微 Abrupt Decay
- 1 暗殺者の戦利品 Assassin’s Trophy
- 1 秋の騎士 Knight of Autumn
Out
- 2 漁る軟泥 Scavenging Ooze
- 1 不屈の追跡者 Tireless Tracker
- 1 集合した中隊 Collected Company
聖遺の騎士+土地破壊できる土地でかなり有利に進められるマッチアップである。
常に一定数いるトロンに対して強いというのは頼もしいことである。
イゼットフェニックス
最悪なマッチアアップの一つである。
ほぼ全てのクリーチャーデッキに当てはまることだろう。
メインは氷の中の存在をどうにかできないため大抵勝てないだろう。
アイス変身後の誘発がコンボを概ね阻止してしまうためコンボパーツは残念ながらサイドアウトする。
そして悲しい話だがミッドレンジプランで勝つこともかなりきつい。
勝つためには一早く弁論の幻霊を出すか、でかい聖遺の騎士を出すかである。
衰微はアイスだけとは言えそれを倒せるのでベストな一枚となる。
コーの火歩きのゲインを軽視すべきではないし、聖遺の騎士や漁る軟泥は極力タフネス4で場に出すよう努めよう。
稲妻の斧までケアするのは過剰と言えるが稲妻や神々の憤怒は確実に避けたいところ。
In
- 1 ボジューカの沼 Bojuka Bog
- 3 流刑への道 Path to Exile
- 2 突然の衰微 Abrupt Decay
- 1 暗殺者の戦利品 Assassin’s Trophy
- 1 コーの火歩き Kor Firewalker
- 1 弁論の幻霊 Eidolon of Rhetoric
- 1 フェアリーの忌み者 Fearie Macabre
- 1 台所の嫌がらせ屋 Kitchen Finks
- 2 罪の収集者 Sin Collector
Out
- 1 地盤の際 Tectonic Edge
- 2 献身のドルイド Devoted Druid
- 4 療治の侍臣 Vizier of Remedies
- 1 不屈の追跡者 Tireless Tracker
- 4 召喚の調べ Chord of Calling
- 1 歩行バリスタ Walking Ballista
トップメタ・イゼットフェニックスは相性悪すぎ、というのがカウンターカンパニーがキツイ原因の一つだろう。
サイド後はコンボパーツを抜いての戦いとなる。
ということで以上である!
まとめ
ということでLaplasjan氏のカウンターカンパニーのデッキガイドを翻訳してみた。
(間違い等あるかもしれないが、もしあればそっと教えていただきたい)
これを見る限り現状(2019年3月上旬)のメタゲームにおいてかなり分が悪いように感じざるを得ない。
そして苦手なバーンや青白はリアルだと依然として多い印象である。
そのせいなのかはわからないが、ふと最近のリストを色々見ていたら氏は2月末にカンパニーでないデッキに切り替えて5-0を果たしていたのであった。
悩ましい。
いやはや、それにしてもモダン、面白いものである。