最近見た映画【2025年1月③:トワイライトウォリアーズ、アプレンティスなど】

トワイライトウォリアーズの感想とあらすじ

映画館やサブスクで鑑賞した映画を記録する記事である。

今回もU-NEXTの無料期間を継続中なので色々視聴している。

【映画館】どうすればよかったか?

統合失調症の症状を発症した姉とそれを認めることができない両親たちを撮影してきた弟=監督がわかりあえなさと向き合い続けて作り上げた破格のドキュメンタリー。

「どうすればよかったか?」という問いには簡単には答え難いのだが、向き合う機会になっただけでも観れてよかったと感じた。

筆者
筆者

まさに観るクスリ的作品。

藤野知明監督と浅野プロデューサーによる舞台挨拶も聴けた。

どうすればよかったか?藤野監督と浅野プロデューサー舞台挨拶
監督とプロデューサーによる舞台挨拶
どうすればよかったか?の感想
サインを頂いたパンフレット

『平山夢明のシネマdeシネマ』で取り上げられており、これも参考になるのでおすすめ(ただしこの回はいきなりカオスな絵面なので注意されたし)。

【映画館】室町無頼(IMAX・先行上映)

入江悠監督による、歴史書にただ1行だけ名を残した男・蓮田兵衛の歴史的無頼譚。

唾棄すべき体制をぶち壊す、という昨今余計に沁みる物語である。近所で先行上映していたので鑑賞してきた。

六尺棒による殺陣やIMAXが活きまくる画面密度の一揆の迫力はすさまじく、大いに見応えあり。

微妙に時代劇っぽくない音楽や横書きのキャプションにちょいと没入感を削がれたりもしたのだがアツい大作であった。

室町無頼の感想・あらすじ
IMAX鑑賞者用のポストカード

【U-NEXT】ミッドサマー

アリ・アスター監督の2019年のクセ強すぎホラー、あるいは恋愛映画、というかだいぶ歪んだコメディかもしれない。

両親を巻き込んで妹が心中してしまった傷心のダニー(フローレンス・ピュー)が、ダニーを重荷に感じつつある恋人クリスチャンとその友人らでフィンランド旅行へいくことになる。90年に一度の夏至祭に参加することになった彼らはその見知らぬ地の因習に巻き込まれていく、というもの。

ヘレディタリーに引き続き、デザインされた美しい映像の中で描かれるいや〜な状況が相変わらず凄まじい。けど、ところどころ笑ってしまうくらい変でもある。個人的にはかなり好きな映画であるが、おすすめしづらさもまた凄まじいのであった。

筆者
筆者

良かった〜

【U-NEXT】サブウェイ・パニック

ニューヨークの地下鉄車両が武装した4人組の男にハイジャックされ乗客を人質に身代金が要求される。わずか1時間のうちに100万ドルを用意できるのか、犯人は地下からいかに脱出するのかといったところでなかなか手に汗握る名作である。管制室から犯人を応対するウォールターマッソーの顔面もだいぶいい味。音楽もかなりイイ。

リメイクもされているが、今回観たのは1974年のオリジナル。

筆者
筆者

これはみんなで楽しめるおすすめ映画!

【U-NEXT】男はつらいよ

ご存知寅さんの人情喜劇シリーズ第1作目。ちゃんと観たのは初めて。

20年前に故郷を出たフーテンの寅がある日異母妹さくらと叔父夫婦が住む東京都葛飾区柴又・柴又帝釈天の門前にある草団子屋に戻って来る。頼まれて行ったさくらの見合いで飲みすぎて失敗して縁談をぶち壊したり、さくらとその想い人・博の間を取り持とうとして余計なことをしでかしたりするのだが、なんだかんだ二人は互いの想いに触れ結婚することに(結婚式がまた良い!)。かたや自分は帝釈天住職の娘・冬子に一目惚れするのだが…という感じ。

基本厄介者な寅さんだが、ドタバタとしたおかしなやり取りや人情に厚い様からどうにも憎めず、マドンナへの恋に浮かれそして敗れる様は哀愁に満ちている。

筆者
筆者

思った以上にドタバタしてて愉快だったゾ

【Prime Video】レッド・ロケット

ショーン・ベイカー監督が描く社会の片隅であがく人びとを描いたヒューマンドラマ。

2016年のアメリカ。テキサスに出戻ってきた落ちぶれ無一文な元ポルノ男優のマイキーは強引に別居中の妻レクシーとその母親の家に転がり込む。その経歴もありまともな仕事が得られず昔のツテでマリファナを捌いて糊口をしのいでいた。ある日ドーナツ屋のバイト・ストロベリーと出会い、彼女とともに再起を目指すのだが…といった話。

強引で身勝手でまぁいろいろと最悪な男が最悪なことを最後まで続ける映画なのだが微妙に憎みきれない、というかなんか好きになってしまう気もしてくる不思議な魅力に満ちた作品だった。どう見ても害悪なのだが…。その背後にあるであろう貧困の問題なんかも見え隠れしている。

16mmフィルムの質感もイイ感じ。近々ショーン・ベイカー監督の映画が近所で上映されるので予習的に鑑賞したが素晴らしかった。おすすめ映画である。

筆者
筆者

マイキーまじでクソだし周りも概ねダメだったが面白かった〜

【Prime Video】シビル・ウォー アメリカ最後の日

昨年の個人的ベストの一本がPrime Videoのラインナップに入ったのでもう一度観た。

やはり劇場で観たほうがより臨場感があるが、おすすめ作品である。

筆者
筆者

やっぱ音楽イイんだよな〜

【U-NEXT】サスペリア(1977)

サスペリアPART2が素晴らしかったためダリオ・アルジェント監督作品からサスペリアを鑑賞。

ドイツのバレエ学校に留学してきたアメリカ人のスージーだったが、到着早々に退学させられた生徒が殺されてしまったり、天井から大量の蛆虫が落っこちてきたり、盲目のピアニストが訓練された盲導犬に噛み殺されてしまったりと、恐ろしい怪事件が多発して終始困惑してスージー目を開きっぱなしである。仲良くなったサラまで急に消えてしまい、サラの友人へと相談に行ってみるとなにやらオカルトなムードが立ち込める、ってな話。

振り切った色彩の照明や相変わらず明るすぎる色合いの血糊がイイ感じ。イタリアのプログレバンド・ゴブリンによる音楽も大変いかがわしく素晴らしい。ラスト激しすぎてなんのこっちゃ!?となる愉快な映画である。

筆者
筆者

音楽いいんだよな〜

【映画館】トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

九龍城砦を再現したセットで繰り広げられる香港アクション映画。

80年代、密入国した陳洛軍:チャン・ロッグワン(レイモンド・ラム)は黒社会の洗礼を受け九龍城砦へと逃げ込む。そこで住民たちに受け入れられ、仲間と友情を育む。九龍城砦を取り巻く争いが激化していく中、洛軍たちは命を賭けた戦いへと挑む、という感じの話。

激渋おじさんがはひしめきつつ、その下の世代に受け継がれていく意志が熱く激しく描かれる。迷宮のような九龍城砦のセットは圧巻。ルイス・クー演じる生ける伝説おじさんロンのかっこよさが半端ない。なかなかにド派手なアクションが楽しめる良作であった。

トワイライトウォリアーズの感想とあらすじ

【映画館】アプレンティス ドナルド・トランプの創り方

アリ・アバッシ監督の新作映画。面白かった。

若き日のドナルド・トランプが如何にしてハリボテで殴りつけてなんでもかんでも押し通すバケモンになっていったのか、というのを描いた映画。ロイ・コーンという悪徳辣腕弁護士の教えをもとに良識を踏みにじり家族をも蔑ろにして突き進む姿には拭いきれない虚しさが漂っているのであった。セバスチャン・スタンの口元のトランプ感がものすごい。

また音楽が大変イイ感じ。

アプレンティス ドナルド・トランプの創り方の感想

【映画館】敵

筒井康隆の長編小説をもとにした吉田大八監督によるモノクロな新作邦画。傑作…!

10年前に大学を辞した元教授渡辺儀助77歳は老醜を潔しとせず預貯金から余生を逆算し、規則正しいハリのある生活を送っているが、ほんのりと残る煩悩に翻弄されつつ、ある日迷惑メールに紛れ届いた「敵」という存在の報せが不穏に彼の生活を脅かし始める、というもの。

憧れすら抱いてしまう儀助の「ハリのある余生」が淡々と描かれる様にまず見入ってしまう。しっかり自炊している儀助だが、フードコーディネーターがついた食事シーンはモノクロなのに異常に美味しそう。そして生活を脅かすようにあらわれる悩ましい3人の女性、そして「敵」。妄想か夢か明示されないシーンが続き、見ていても混乱がもたらされる不安と、その先にある安らぎの予感に少しずつ忍び寄る老いと、その先を想起せずにはいられない。驚異の人間ドラマ。

映画『敵』の感想。筒井康隆原作吉田大八監督 【映画】『敵』を観た!【筒井康隆原作】
映画『敵』の感想。筒井康隆原作吉田大八監督

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